食事に関して②
では食事ってなんでしょうか。
国語辞典には「生命を維持するために毎日何度か食物を食べること」
とあります。
禅宗では食前に必ず「五観の偈」を唱えて貪欲などを戒めて食事の本来の意味を確認します。
今の私たちの食生活を振り返ってみると、辞書にあるような感覚で食べていますか?
全て美味しそうや、あれ食べたい、あれは食べたくない、そんな気分じゃないと、
欲求や気持ちで食べていますね。
前の食事に関して①でも書きましたが、生活習慣病などの病気や肥満などになるのです。
では仏教的にはどう食事しているのでしょうか。
この仏教的な食生活に変えてみると、貪ることを止めて健康的な食生活になる。
と私は経験しました。
私の経験から話します。
私の職業は農業で、メロンとイチゴの栽培をしています。あるとき椎間板ヘルニアで就業できず長期休暇を取って休んでいました。
仕事をしているときは1日でエネルギーを使う量が多いためたくさん食べていました。
その頃は食事量も多くても問題ありませんが、休業した途端に一気に太ってしまい、
最高で68kgでした。
私の適正体重が55kgなので13kg多く、お腹も出ていました。
そこで食事の瞑想を毎日していました。ヴィパッサナー瞑想の食事版で、気づきながら食事をするというものです。(スマナサーラ長老著書の自分を変える気づきの瞑想法に詳しく載っています。)
最初は不慣れで変な感じでしたが、慣れると普段の1食分が食べきれないくらいすぐに満腹になります。そこから1日2食の生活をして今まで続けてきて15kg体重が落ちました。
3月〜7月くらいまでの4ヶ月で13kg、そこから今日までで2kg落ちました。
肉体労働で少なくて大丈夫?なんて言われますが、たくさん食べられるような胃ではなくなったので、あまり食べなくても問題ないのです。
※個人差があるので鵜呑みにしないよう注意してください。
といった瞑想と、自分が今食べている食品にどんな人が関わったかを食事前に考えるのです。
例えばイチゴ。
私のような栽培農家、できたイチゴを運送する人、それを仕入れて売る人…細分化すればかなりの人が関わっています。またその人の労力や時間が費やされているわけですから、無駄にはできなくなります。しっかり感謝していただきますを言うと食に対する考えが変わってきて、世の中に溢れる食品を見て残念に思うのです。
あとは食事前に禅宗の五観偈に似た食事の観察…これを唱えます。
・正覚者の説かれた真理を遵守し、正しく観察してこの食事をいただきます。
・食事によって心が汚れることを戒め、身体を痛めることにも注意し、
壊れてゆくこの肉体の修復のために、量を計って、この食事をいただきます。
・一切の生命に対して慈しみの念を抱き、釈尊の説かれた仏道を歩む目的を念頭において、
一切の現象は無常であることを随念しつつ、この食事をいただきます。
このように観察して食事の瞑想に入ります。
お釈迦様は食事に関してどのように考えていらしたのか、修行僧はどの様な食事をするのか経典と戒律を見ながら、次の③を書いていこうと思います。